GP7・GP8 の点検・グリース補給・バッテリ交換
GP8 と GP7 の保守内容は共通です。グリースは交換ではなく補給だけで、全軸とも注射器で少量を入れます。点検間隔はサーボ電源を入れていた時間で数えます。
警告
保守作業は電源を切り、「通電禁止」などの表示をしてから行います。モータとマルチポートコネクタの間のコネクタを外すと、原点位置データ(ABSO データ)が消えます。
点検間隔と点検項目
| No. | 点検箇所 | 間隔 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 合マーク | 日常 | 原点姿勢でマークが合うか、傷がないかを確認 |
| 2 | 外部全体 | 日常 | 油分のにじみ、亀裂や破損の確認と清掃 |
| 3 | ベースのボルト | 1000 h ごと | 欠け・緩みの確認と増し締め |
| 4 | カバー類のねじ | 1000 h ごと | 欠け・緩みの確認と増し締め |
| 5 | コネクタベース | 1000 h ごと | 緩みの確認 |
| 6 | 給電ケーブルのコネクタ | 1000 h ごと | 緩みの確認 |
| 7 | L・U・R・B・T 軸タイミングベルト | 12000 h ごと | 張りと状態の確認 |
| 8 | 機内リード線 | 12000 h ごと/24000 h | 導通の確認と保護ばねの摩耗確認/交換 |
| 9 | 機内バッテリユニット | 24000 h | バッテリアラームが出たとき、または 24000 h で交換 |
| 10 | S 軸減速機・S 軸ギヤ | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース補給(注射器) |
| 11 | L・U 軸減速機 | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース補給(注射器) |
| 12 | R 軸減速機 | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース補給(注射器) |
| 13 | B・T 軸減速機・T 軸ギヤ | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース補給(注射器) |
| 14 | オーバーホール | 36000 h | メーカーのサービス部門が実施 |
標準仕様のグリースは、全軸の減速機と S・T 軸ギヤともハーモニックグリース SK-1A です。
グリース補給
- グリースポンプは使わず、補給用の注射器(推奨予備品)で入れます。グリースはかき混ぜるなどして柔らかくしてから必要量を注射器に詰めます。
- 決められた量より多く入れると、運転中に内圧が上がってグリースが漏れることがあります。
- 注入口からグリースがあふれることがあるので、拭き取る布と受け皿を用意します。
- 注入口のボルトを付けるときは、ねじ部にスリーボンド 1206C を塗ります。
- 保守説明書には、初回だけに使う別の量や、グリース排出口の記載はありません。
| 箇所 | 補給量 | 注入口 | 締付け |
|---|---|---|---|
| S 軸減速機 | 3 g | 六角穴付きボルト M5 | (掲載していません) |
| S 軸ギヤ | 3 g | 六角穴付きボルト M5 | (掲載していません) |
| L 軸減速機 | 3 g | 六角穴付きボルト M6(カバーを外す) | 5.0 N·m(0.51 kgf·m) |
| U 軸減速機 | 1.5 g | 六角穴付きボルト M6(カバーを外す) | 5.0 N·m(0.51 kgf·m) |
| R 軸減速機 | 1 g | (掲載していません) | (掲載していません) |
| B 軸減速機 | 1 g | プラグ LP-M5 | — |
| T 軸減速機・T 軸ギヤ | 1 g | 六角穴付きボルト M4 とプラグ LP-M5 | M4:1.4 N·m(0.14 kgf·m) |
注記
- R 軸減速機の注入口ボルトは、日本語版の保守説明書の中で、外す手順では M5、付ける手順では M6 と書かれていて一致しないため、ボルトのサイズと締付けトルクを載せていません。
- S 軸減速機と S 軸ギヤのボルトの締付けトルクは、日本語版の図で読み取れなかったため載せていません。
作業前に実物のボルトを確かめ、必要なら安川電機に確認してください。
機内バッテリユニットの交換
バッテリユニットは 3 個あり、マルチポートコネクタと一緒に取り付けられています。バッテリアラームが出たとき、または 24000 h で交換します。
- 制御電源が入るとき:制御電源を入れてサーボオフにし、非常停止ボタンを押した状態で、古いユニットをマルチポートコネクタから外して新しいユニットをつなぎます。結束バンドで留め、カバーのボルトを決められたトルクで締めます。
- 制御電源が入らないとき:マルチポートコネクタの「IN」ポートに、バッテリ交換用リード(HW1471281-A)とバックアップ用バッテリユニットを先につないでから交換します。こうしないとアブソデータが消えます。交換が終わったら、バックアップ用ユニットは外します。
食品グリース仕様(-F00)
YR-1-06VX8-F00 / YR-1-06VX7-F00 は、標準仕様とはグリースだけが違うモデルで、用途はハンドリングに限られます。
| 項目 | 食品グリース仕様(-F00) |
|---|---|
| グリース(全軸) | ルブリプレート社の食品グリース SYNXTREME FG-0 |
| 補給量 | 標準仕様と同じ |
| 運転時の周囲温度 | +15 ~ +45 ℃ |
| グリース補給、タイミングベルト・機内リード線の点検 | 9000 h ごと |
| 機内リード線の交換、機内バッテリユニットの交換 | 18000 h |
| オーバーホール | 18000 h |
関連記事
出典:YASKAWA マニュアル HW1483943(GP8/AR700・GP7/AR900 取扱説明書 rev 12)、HW1483945(GP8/AR700・GP7/AR900 保守説明書 rev 1)、HW1484384(GP8・GP7 取扱説明書補足書 食品グリース仕様 rev 1)に基づく。英語版の取扱説明書 HW1483944 は rev 5 で、日本語版 rev 12 より古い。