GP25 の点検・グリース交換・バッテリ交換
GP25 は、基本軸(S・L・U 軸)の減速機はグリース交換、手首側(R・B 軸減速機と R・T 軸ギヤ)は少量のグリース補給と、やり方が分かれています。点検間隔はサーボ電源を入れていた時間で数えます。
警告
保守作業は電源を切り、「通電禁止」などの表示をしてから行います。モータとマルチポートコネクタの間のコネクタを外すと、原点位置データ(ABSO データ)が消えます。
点検間隔と点検項目
| No. | 点検箇所 | 間隔 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 合マーク | 日常 | 原点姿勢でマークが合うか、汚れや傷、チェックポイントでのずれを確認 |
| 2 | 外部全体 | 日常 | 油分のにじみ、亀裂や破損の確認と清掃 |
| 3 | ベースのボルト | 1000 h ごと | 欠け・緩みの確認と増し締め |
| 4 | 給電ケーブルコネクタ | 1000 h ごと | 緩みの確認 |
| 5 | ジッパーチューブ(アーク溶接用途のみ) | 1000 h ごと/24000 h | スパッタの清掃と穴・破れの確認/交換 |
| 6 | B・T 軸タイミングベルト | 12000 h ごと | 張りと状態の確認(歯の欠け、膨らみ、異常な摩耗があれば交換) |
| 7 | 機内リード線 S・L・U 軸(電源基板を含む) | 日常/12000 h/24000 h | 傷・汚れの確認/フレキホースの状態確認/交換 |
| 8 | 機内リード線 B・T 軸 | 12000 h/24000 h | 固定部の状態確認/交換 |
| 9 | 機内バッテリユニット | 24000 h | バッテリアラームが出たとき、または 24000 h で交換 |
| 10 | S・L・U・R 軸モータ部 | 12000 h ごと | グリース漏れの確認 |
| 11 | S・L・U 軸減速機 | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース交換 |
| 12 | R・B 軸減速機 | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース補給(ハンドポンプまたは注射器) |
| 13 | R・T 軸ギヤ | 12000 h ごと | 異常の確認とグリース補給(ハンドポンプまたは注射器) |
| 14 | オーバーホール | 36000 h | メーカーのサービス部門が実施 |
使うグリース
| 箇所 | 標準仕様(-A00 / -A01) |
|---|---|
| S・L・U 軸減速機 | モリホワイト RE No.00 |
| R・B 軸減速機、R・T 軸ギヤ | ハーモニックグリース SK-1A |
防滴仕様(-C00)と食品グリース仕様(-F40)のグリースは 仕様違いのページ を見てください。
S・L・U 軸減速機のグリース交換
守る条件
- 注入前に排出口のプラグを必ず外す。付けたまま入れると、グリースがモータに入ったり、オイルシールが抜けたりします。
- 注入はグリース専用ポンプ(例:エアー式のグリースガン)で 7 g/s 以下。1 秒に 2 回吐出するなら 1 回 3.5 g 以下が目安です。ポンプへのエア供給圧は 0.3 MPa 以下が目安。
- 押出しエアや吸い出しでグリースを抜くときは 0.025 MPa 以下。
- 注入口にはグリースニップル A-PT3/8 を付けます。
注入量と排出量
| 箇所 | 注入量(目安) | 排出量 |
|---|---|---|
| S 軸 | 1650 g | 50 ± 5 g(57 ± 5 cc) |
| L 軸 | 750 g | 90 ± 5 g(103 ± 5 cc) |
| U 軸 | 370 g | 60 ± 5 g(69 ± 5 cc) |
初回の補給だけに使う別の量は、保守説明書には書かれていません。
手順の要点
- 注入口と排出口のプラグを外し、注入口にグリースニップルを付けて注入する。グリース交換なら新旧のグリースが半々に出てきたら止め、減速機交換なら排出口にグリースが見えたら止める。
- (減速機交換のとき)ティーチモードで該当軸を ±45° で 5 回ほど動かし、もう一度注入する。
- 上の表の量を排出口から抜く。
- なじみ動作をプレイバックで行う。交換した軸を ±45°、MOVJ VJ=50.00、各動作の後にタイマ 1.0 秒で 15 分間。
- 出たグリースを拭き取り、シールテープ TB4501 を巻いたプラグを付ける。
プラグ
| 箇所 | グリース注入口 | グリース排出口 |
|---|---|---|
| S・L・U 軸 | 六角穴付きプラグ PT3/8 | 六角穴付きプラグ NPTF3/8 |
プラグの締付けトルクは 16.5 N·m(1.7 kgf·m)で、シールテープ TB4501 を巻きます。天つりでは注入口と排出口が入れ替わります。
R・B 軸減速機と R・T 軸ギヤのグリース補給
ハンドポンプか注射器で、ハーモニックグリース SK-1A を少量だけ入れます。エア抜き口からはグリースは出てこないので、入れすぎに注意します。注入前にエア抜き口のプラグ(またはボルト)を必ず外します。
| 箇所 | 補給量 | 注入口・エア抜き口 | 締付け |
|---|---|---|---|
| R 軸減速機 | 7 g | 六角穴付きプラグ PT1/8(ニップル A-PT1/8) | 4.9 N·m(0.49 kgf·m)、シールテープ TB4501 |
| B 軸減速機 | 7 g | 六角穴付きボルト M6(ニップル A-MT6×1) | 6 N·m(0.6 kgf·m)、スリーボンド 1206C を塗布 |
| R 軸ギヤ | 3 g(減速機交換時は 85 g) | 六角穴付きプラグ PT1/8 | 4.9 N·m(0.49 kgf·m)、シールテープ TB4501 |
| T 軸ギヤ | 注入口 1 と注入口 2 に各 2 g | 六角穴付きボルト M6 | 6 N·m(0.6 kgf·m)、スリーボンド 1206C を塗布 |
R 軸の減速機とギヤは、U アームを床と水平にしてから補給します。
機内バッテリユニットの交換
バッテリユニット(HW1483880-A)は 3 個あります。バッテリアラームが出たとき、または 24000 h で交換します。
- 制御電源が入るとき:制御電源を入れてサーボオフにし、非常停止ボタンを押した状態で作業します。古いユニットを外して新しいユニットをつなぎ、保護チューブに入れて結束バンドで留めます。
- 制御電源が入らないとき:マルチポートコネクタの「IN」ポートに、バッテリ交換用リード(HW1471281-A)とバックアップ用バッテリユニットを先につないでから交換します。こうしないとアブソデータが消えます。交換が終わったら、バックアップ用ユニットは必ず外します(新しいバッテリから電流が流れ込むため)。
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出典:YASKAWA マニュアル HW1484719(GP25 取扱説明書 rev 3)、HW1484731(GP25/AR1730 保守説明書 rev 1)に基づく。英語版の取扱説明書 HW1484720 は rev 2 で、日本語版 rev 3 より 1 版古い。