GP12 の点検・グリース交換・バッテリ交換
GP12 の保守は GP25 と同じ構成で、基本軸(S・L・U 軸)の減速機はグリース交換、手首側(R・B 軸減速機と R・T 軸ギヤ)は少量のグリース補給です。グリースの量とプラグは GP12 独自の値です。点検間隔はサーボ電源を入れていた時間で数えます。
保守作業は電源を切り、「通電禁止」などの表示をしてから行います。モータとマルチポートコネクタの間のコネクタを外すと、原点位置データ(ABSO データ)が消えます。
点検間隔と点検項目
| 間隔 | 点検箇所と内容 |
|---|---|
| 日常 | 合マーク、外部全体(油分のにじみ・亀裂・汚れ)、機内リード線 S・L・U 軸の傷・汚れ |
| 1000 h ごと | ベースのボルト、給電ケーブルコネクタ、ジッパーチューブ(アーク溶接用途のみ。交換は 24000 h) |
| 12000 h ごと | B・T 軸タイミングベルト、機内リード線 S・L・U 軸のフレキホース、機内リード線 B・T 軸の固定部、S・L・U・R 軸モータ部のグリース漏れ、S・L・U 軸減速機のグリース交換、R・B 軸減速機と R・T 軸ギヤのグリース補給(ハンドポンプまたは注射器) |
| 24000 h | 機内リード線(S・L・U 軸、B・T 軸)の交換、機内バッテリユニットの交換(バッテリアラームが出たときも交換) |
| 36000 h | オーバーホール(メーカーのサービス部門) |
使うグリース(標準仕様)
| 箇所 | グリース |
|---|---|
| S・L・U 軸減速機 | モリホワイト RE No.00 |
| R・B 軸減速機、R・T 軸ギヤ | ハーモニックグリース SK-1A |
S・L・U 軸減速機のグリース交換
注入前に排出口のプラグを必ず外します。注入はグリース専用ポンプで 7 g/s 以下、ポンプへのエア供給圧は 0.3 MPa 以下が目安です。押出しエアや吸い出しで抜くときは 0.025 MPa 以下にします。
| 箇所 | 注入量(目安) | 排出量 |
|---|---|---|
| S 軸 | 700 g | 25 ± 5 g(30 ± 5 cc) |
| L 軸 | 450 g | 50 ± 5 g(60 ± 10 cc) |
| U 軸 | 350 g | 40 ± 5 g(45 ± 10 cc) |
- 減速機交換のときは、ティーチモードで該当軸を ±45° で 5 回ほど動かしてから、もう一度注入します。
- 初回の補給だけに使う別の量は、保守説明書には書かれていません。
| 箇所 | グリース注入口 | グリース排出口 |
|---|---|---|
| S 軸 | 六角穴付きプラグ PT3/8 | 六角穴付きプラグ NPTF3/8 |
| L 軸・U 軸 | 六角穴付きプラグ NPTF3/8 | 六角穴付きプラグ NPTF3/8 |
プラグの締付けトルクは 16.5 N·m で、シールテープ TB4501 を巻きます。天つりでは注入口と排出口が入れ替わります。
R・B 軸減速機と R・T 軸ギヤのグリース補給
ハンドポンプか注射器で、ハーモニックグリース SK-1A を少量だけ入れます。エア抜き口からはグリースが出てこないので、入れすぎに注意します。
| 箇所 | 補給量 | 注入口・エア抜き口 | 締付け |
|---|---|---|---|
| R 軸減速機 | 7 g | 六角穴付きプラグ PT1/8 | 4.9 N·m(0.49 kgf·m) |
| B 軸減速機 | 7 g | 六角穴付きボルト M6 | 6 N·m(0.6 kgf·m)、スリーボンド 1206C を塗布 |
| R 軸ギヤ | 3 g(減速機交換時は 55 g) | 六角穴付きプラグ PT1/8 | 4.9 N·m |
| T 軸ギヤ | 注入口 1 と注入口 2 に各 2 g | 六角穴付きボルト M6 | 6 N·m |
防滴仕様と食品グリース仕様
食品グリース仕様(-F00)は、防滴仕様(-C00)のグリースを次のように読み替えます。用途はハンドリングに限られます。
| 箇所 | 防滴仕様(-C00) | 食品グリース仕様(-F00) |
|---|---|---|
| S・L・U 軸減速機 | RV グリース LB No.00 | カシーダグリース EPS00 |
| R・B 軸減速機、R・T 軸ギヤ | ハーモニックグリース SK-1A | ハーモニックグリース HFL-1 |
食品グリース仕様では、点検表にドレンプラグ(1000 h ごと)が加わり、オーバーホールは 18000 h になります。予備品には、カシーダグリース EPS00(19 kg)、ハーモニックグリース HFL-1(2.5 kg)、カシーダグリース EPS02(19 kg)が挙がっています。
機内バッテリユニットの交換
バッテリユニット(HW1483880-A)は 3 個あります。手順は GP25 と同じです。
- 制御電源が入るとき:制御電源を入れてサーボオフにし、非常停止ボタンを押した状態で交換します。
- 制御電源が入らないとき:マルチポートコネクタの「IN」ポートに、バッテリ交換用リード(HW1471281-A)とバックアップ用バッテリユニットを先につないでから交換します。こうしないとアブソデータが消えます。
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出典:YASKAWA マニュアル HW1484059(GP12/AR1440 取扱説明書 rev 6)、HW1484061(GP12/AR1440 保守説明書 rev 2)、HW1485681(GP12 補足書 食品グリース仕様 rev 0)に基づく。英語版の取扱説明書 HW1484060 は rev 4 で、日本語版 rev 6 より古い。