YRC1000 メモリバッテリの交換
YRC1000 は、ジョブやパラメータなどのデータを CMOS メモリに保存しており、このメモリをバッテリでバックアップしています。バッテリが弱くなると、ペンダントに**「メモリバッテリ低下」**(アラームコード表では 0790 MEMORY BATTERY WEAK)と表示されます。
バッテリの場所
バッテリは制御盤内の CPU ユニットにあります。CPU 基板(JANCD-ACP01)と一体で取り付けられたロボット I/F 基板(JANCD-AIF01)の裏面にあり、バッテリ用のコネクタが **CN114(右)と CN115(左)**の 2 つあります。
交換までの猶予
- 表示が出てから 30 日以内に交換します。
- 交換を始める直前まで、ブレーカは入れたままにしておきます。メモリはスーパーキャパシタでもバックアップされていて、30 分通電すれば周囲温度 25 ℃で約 16 時間データを保持できます。ただし、ブレーカを切ったらできるだけ早く交換してください。
- 万一に備えて、事前にデータのバックアップ(システムバックアップ)をとっておきます。
交換の流れ
- 電源を切って 5 分以上待ち、コンバータとアンプのチャージランプ(オレンジ色の LED)が消えていることを確認する。コンデンサの残留電圧による感電を防ぐためです。
- CPU ユニットとロボット I/F 基板につながっているケーブルを外す(制御通信 CN111、制御電源入力 CN101、ペンダント用 LAN1 CN105。オプションがあれば USB、RS-232C、LAN2/LAN3、I/O I/F も)。
- CPU 基板を固定している上下 2 か所のねじを外し、基板をラックから引き出す。
- 古いバッテリはつないだまま、空いているほうのコネクタに新しいバッテリを接続する。初回の交換では、CN114 に古いバッテリがつながっていて、CN115 が空いています。2 回目以降は、そのとき空いているほうを使います。
- その後で、古いバッテリのコネクタを外し、ホルダから古いバッテリを取り出す。
- 新しいバッテリをホルダに取り付け、バッテリの配線が基板からはみ出していないことを確認する。はみ出したままラックに戻すと、配線がバックボードに挟まれて断線などの原因になります。
- 基板をラック左側の上下のレールに沿ってまっすぐ差し込み、バックボードのコネクタにつなぐ。引っかかったら無理に押し込まず、いったん抜いて基板を確認する。
- 上下のねじを締め、外したケーブルをすべて元に戻す。
基板の部品やパターン、カードエッジ、コネクタの接点には触れないでください。触れてしまった場合は、きれいな布で汚れをふき取ります。交換用のバッテリは元と違うメーカー品のことがありますが、どちらも使えます。
アラームコード表の記載との違いについて
アラームコード表(RE-CER-A600)のアラーム 0790 の処置欄には、「AIF01 基板の CN110/BAT を確認」「YRC1000 保守要領書(RE-CHO-A108)の 5.1.1.1 項を参照」と書かれています。これは、保守要領書(RE-CHO-A114)の内容と次の点で一致しません。
| 項目 | アラームコード表 RE-CER-A600(Rev.14, 2026 年 3 月) | 保守要領書 RE-CHO-A114(Rev.29, 2026 年 7 月) |
|---|---|---|
| 対象 | YRC1000 | YRC1000 |
| バッテリの場所 | AIF01 基板 | ロボット I/F 基板 AIF01 の裏面 |
| コネクタ名 | CN110/BAT | CN114(と CN115) |
| 参照先 | RE-CHO-A108 の 5.1.1.1 項 | 5.1.1.3 項「バッテリの交換」 |
2 冊はどちらも YRC1000 用で、世代の違いではありません。バッテリの場所(AIF01 基板)も同じです。一方、参照先の RE-CHO-A108 はマニュアル一覧では DX100 の保守要領書にあたり、RE-CHO-A114 では 5.1.1.1 項は「CPU 基板の交換」です。そのため、アラームコード表の参照番号は古い(または誤った)記載と考えられます。CN110 という名前の扱いは、手元の資料では確認できませんでした。
本記事は、より新しく、手順が詳しく書かれている保守要領書 RE-CHO-A114 に合わせています。実機では、基板に印字されたコネクタ番号で確認してください。
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出典:YASKAWA マニュアル RE-CHO-A114 および RE-CER-A600 に基づく。