SP225H / SP180H のグリース交換
SP225H、SP180H、SP180H-110 は YRC1000 と組み合わせる大型のスポット溶接ロボットです。各軸の減速機にはモリホワイト RE No.00 を使います。この機種では、注入したあとに決められた量を抜くところまでが作業の一部です。
各軸の注入量(目安)
| 軸 | 注入量 |
|---|---|
| S | 4350 g |
| L | 2180 g |
| U | 2180 g |
| R | 2090 g |
| B | 3160 g |
| T | 3550 g |
守るべき条件
- 注入はグリース専用ポンプ(エアー式グリースガンなど)で行い、注入速度は 7 g/s 以下にする。目安として、1 秒に 2 回吐出するなら 1 回の吐出量を 3.5 g 以下にします。ポンプの供給圧は 0.3 MPa 以下が目安です。
- 排出に押出しエアを使う場合、供給圧は 0.025 MPa 以下。高すぎると減速機のオイルシールが抜けます。グリースが勢いよく飛び出すことがあるので、チューブで容器に受けてください。
- 排出口にチューブを付ける場合は、長さ 150 mm 以内、内径 6 mm 以上。長いと抵抗でグリースバスの内圧が上がり、オイルシール抜けにつながります。
- 減速機やモータを取り付けた直後は、シール剤が固まるまで 30 分以上空けてから注入する。
作業の流れ
- ロボットを推奨姿勢にする(マニュアルの「グリース注入時の推奨姿勢」の表を参照。たとえば L 軸に注入するときは L 軸 0°)。艤装などで推奨姿勢がとれない場合は、できるだけ注入口が下、排出口が上になる姿勢にします。排出口が低すぎると、グリースが十分に入れ替わりません。
- 注入口と排出口のプラグを外し、注入口にグリースニップル(A-PT3/8、ロボットに同梱)を付ける。
- 注入する。R 軸と T 軸は注入口が 2 か所あります。減速機が中空構造なので、注入口 2 から新しいグリースが出てくるまで注入口 1 から入れ、その後注入口 1 にプラグをして、残りを注入口 2 から入れます。
- 注入をやめるタイミングは作業によって違う。
- グリース交換のとき:排出口から出てくるグリースが、古いものと新しいものが半々に混じったように見えたところで止め、手順 6 へ進む。
- 減速機を交換したとき:排出口にグリースが見えたところで止め、手順 5 へ進む。
- (減速機交換時のみ)各軸を下表の角度でティーチモードで 5 回程度動かし、もう一度注入する。排出口からグリースがあふれてきたら注入完了。
- 下表の排出量だけグリースを抜く。容器に受けて重量計で量りながら、押出しエア(0.025 MPa 以下)または吸引(同じく 0.025 MPa 以下)で抜きます。出にくいときは、再び各軸をティーチモードで 5 回程度動かします。
- 注入口をプラグでふさぎ(ねじ部を洗浄・脱脂してシールテープを巻く)、排出口にグリース回収袋などを付けたうえで、なじみ動作をプレイバックで行う。
| 軸 | ティーチ/なじみ動作の角度 | 排出量 |
|---|---|---|
| S | ±45° | 不要(0 g) |
| L | ±45° | 240 ± 30 g |
| U | ±45° | 250 ± 30 g |
| R | ±90° | 310 ± 40 g |
| B | ±45° | 470 ± 40 g |
| T | ±90° | 530 ± 40 g |
なじみ動作は、各軸とも MOVJ VJ=50.00、各動作後にタイマ 1.0 秒で、15 分間続けます。
抜く量が大事な理由
抜き足りないと、運転中に内部の圧力が上がってグリースが漏れます。抜きすぎると潤滑が足りなくなり、減速機が早く傷みます。
警告
ロボットを動かすときは、ロボットの動作範囲に入らないでください。
関連記事
出典:YASKAWA マニュアル HW1484423 に基づく。