原点位置の復帰(原点位置合わせ)
原点位置合わせは、各軸の 0 パルスの位置とアブソリュートエンコーダの値を合わせる作業です。出荷時に済んでいますが、次のような場合はやり直す必要があります。
必要になるケース
- マニピュレータと制御盤の組み合わせを変えた。
- モータ・絶対値エンコーダを交換した。
- 記憶メモリがクリアされた(バッテリ切れなど)。
- マニピュレータをワークなどにぶつけて原点がずれた。
- 減速機など本体部品の交換や分解・組立をした。
原点位置合わせが終わるまで、教示も再生もできません。複数台のロボットを使うシステムでは、すべてのロボットについて行います。
4 つの復帰方法
| 方法 | 考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 原点設定用のティーチングポイント | 正常なうちに基準となる位置(チェックポイント)を作っておき、部品交換後にその位置へ動かしてずれを調整する | 故障して動かなくなってからでは作れない。各軸用に前もって作っておく |
| キー | キー位置と出荷時原点とのパルス差を、制御盤内の原点シールに控えておく。原点が消えたら、キー位置からその差を原点として設定する | 事前にシールへの記録が必要 |
| エンコーダバックアップ異常修復機能 | バッテリの消耗で記憶がクリアされ「エンコーダバックアップ異常」が出たときに、ペンダントで「バックアップアラーム修復」を実行する | モータ・絶対値エンコーダを交換した場合は使えない |
| ロボットキャリブレーション(MOTOCALV EG) | 5 点 × 5 姿勢(計 25 点)を教示し、その位置情報から原点位置とツールデータを調整する | ほかの方法が使えないときの手段。精度は高いが全軸の原点が変わる |
機種によっては、原点の復旧を自動化するゼロイング機能(オプション)も使えます。
チェックポイントを使った調整の流れ
- 準備(正常なうちに):電源の入り切りやエア圧の低下で動かない位置に、ずれがはっきり分かるとがった基準を作り、そこへ安全に移動するチェック用ジョブを作っておく。基準は、合わせる軸の回転中心からなるべく遠くに置きます。
- 交換:モータや減速機を交換する。
- 仮登録:交換した軸を原点マークの位置に動かし、原点位置を仮に登録する。
- ずれ量を求める:チェック用ジョブでチェックポイントへ動かし、交換した軸だけを動かして基準に合わせる。位置画面で「現在値 − 指令値」を計算すると、ずれ量(パルス)が出ます。
- 本登録:交換した軸を、ずれ量と同じパルスの位置に動かし、その軸だけ原点位置合わせを行う。
- 確認:もう一度チェックポイントへ動かして一致を確認する(ずれていれば繰り返す)。いつものジョブで動作を確かめたら、新しい原点位置データ(ABSO データ)を日付とともに制御盤内のラベルに記入する。
YRC1000 での原点位置合わせの操作
- セキュリティモードを管理モードにする。
- メインメニューから 【ロボット】→【原点位置】 を選ぶ。
- 対象の制御グループ(ロボットまたはステーション)を選ぶ。
- 各軸を軸操作で動かして原点マークを合わせ、全軸まとめて、または軸ごとに登録する。
- 正しい原点位置データが分かっている場合は、数値を直接入力することもできる。
関連記事
出典:YASKAWA マニュアル HW1484423、HW1482733 および RE-CHO-A114 に基づく。