サーボフロート機能
通常、ロボットの各軸は位置制御されており、外から押されても指令位置を保つために必要なだけトルクを出します。サーボフロートではトルクを制限するため、外力でロボットを押し動かせるようになります。たとえばダイカストマシンからワークを取り出すとき、ロボットがワークをつかんだ状態で押し出しシリンダに押される、といった用途で使われます。
2 種類の方式
| 方式 | トルク制限のかけ方 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| リンクサーボフロート | 各軸ごとに独立 | 一般用途。発振(モータから「ガー」という音がして高い周波数で振動する現象)やふらつきが出る場合はこちらを使う |
| リニアサーボフロート | 直交空間の 1 方向 | 取り出し距離が長い作業、決まった 1 方向への押し付けや研磨 |
リニア方式で直線的に動くのは U 軸先端で、R・B・T 軸はリンク方式と同じ動作になります。
ジョブでの動き
MOVL V=100.0
FLOATON FL#(1)
MOVL V=100.0
MOVL V=100.0
FLOATOF
ステップ 1 には通常どおり到達し、FLOATON FL#(1) で条件ファイル 1 によるサーボフロートを開始、ステップ 2・3 はトルクを制限した状態で動作し、FLOATOF で通常の位置制御に戻ります。
- サーボフロートは FLOATON から FLOATOF まで有効です。ジョグ、カーソル移動後の前進/後退、ジョブの呼び出し・選択・編集、サーボ再投入でも解除されます。
- 移動命令は、アームが障害物で止められても指令が目標に到達した時点で完了とみなされます。例:5 秒の移動が 3 秒で止められると、残り 2 秒待ってから次のステップへ進みます。
- タイマ命令やウェイト命令の実行中もトルク制御が続くため、待機中にアームを押し動かせます。
- 軸ごとのトルク制限値はサーボフロート条件ファイルで設定します。
重要:ツール質量情報
トルクを制限している間も、コントローラはリアルタイムで重力補償を行っています。ツールの質量・重心・慣性が誤っていると、軸が落下したり上昇したりして危険です。サーボフロートを使う前にツール質量情報を正しく設定してください。
出典:YASKAWA マニュアル HW1483399 に基づく。