YRC1000 のソフトリミットとリミット解除
マニピュレータの動作範囲は、メカストッパなどの機械的な制限に加えて、システムソフトウェアでも監視されています。このソフトウェア上の制限をソフトリミットといいます。
ソフトリミットの 2 つの考え方
- 各軸の最大動作範囲:軸ごとに、これ以上動かしてはいけない範囲。
- キューブ(直方体)状の動作許容領域:ロボット座標の軸に平行な直方体として設定する領域。マニピュレータを特定のゾーンに入れたくない場合などに使います。
どちらかの限界に達すると、ロボットは停止します。
リミット解除が必要になる場面
操作の誤りやシステムの異常でロボットが想定外の位置まで動き、リミットに掛かって止まってしまうことがあります。この場合は、一時的にリミットを解除し、ロボットを適切な位置まで戻します。
ソフトリミット解除の手順(標準ペンダント)
- メインメニューから 【ロボット】→【リミット解除】 を選ぶ。
- 「ソフトリミット解除」を「有効」にする。
- リミットに入ったのと逆の方向へ軸操作で戻し、「無効」に戻す。
スマートペンダントの場合は 【MENU】→【ロボット設定】→【リミット解除】 から同じ操作を行います。
覚えておきたい点
- リミットを解除している間は、移動命令を教示できません。
- 自動(プレイ)モードに切り替えると、リミット解除の設定は自動的に無効に戻ります。
- 自己干渉チェック機能のある機種(HC10 など)では、「自己干渉」の解除項目も表示されます。解除するとマニピュレータとツールがぶつかるおそれがあるため、慎重に扱ってください。
全リミット解除
全リミットには、次の 4 つの制限がまとめて含まれます。
| リミット | 内容 |
|---|---|
| メカリミット | マニピュレータの動作範囲のチェック |
| L-U 干渉領域 | L 軸と U 軸の干渉のチェック |
| 各軸のソフトリミット | 各軸の動作範囲のチェック |
| キューブゾーン | ユーザが設定したキューブ領域のチェック |
全リミット解除は管理モードで行う復旧専用の機能です。すべての制限が外れるので、通常の範囲を越えて動き、マニピュレータや周辺機器を壊すおそれがあります。動かすときは周囲の安全に十分注意してください。
機能安全のリミット
機能安全(オプション)を使っている場合、ロボット動作領域制限やツール角度監視などの安全リミットに違反するとアラームで停止し、違反を解消するまで動かすこともアラームをリセットすることもできません。この場合は、原因となっている安全機能を一時的に無効にしてアラームをリセットし、安全な領域までジョグで戻した後、無効にした機能を必ず有効に戻します。
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出典:YASKAWA マニュアル HW1485508 および RE-CTO-A221 に基づく。